代表の教室をChatGPT・Gemini・Claudeに90回聞いて、AI回答での登場率と引用元を全部記録した話(2026年7月末時点)
「うちの会社、ChatGPTに聞いても出てこないんだけど」
経営者や事業責任者の方なら、社員か取引先から一度は言われたことがある言葉だと思います。私は言った側でした。7月に代表の教室を測って、この言葉をそのまま代表に持って行きました。何を持って行ったかは、記事の後半に書きます。
株式会社ChinookでCTOをしているゆうすけ(@【要記入:X_ID】)です。AIの回答に自社が出るための最適化、いわゆるAEO(Answer Engine Optimization)を、会社の新規事業として一人で立ち上げています。この記事に出てくる3rdschool(サードスクール)は弊社代表が運営している吉祥寺の子ども向けプログラミング教室で、私はChinookの社員としてこの計測をしました。3rdschoolの宣伝でも、Chinookの営業でもなく、測ったものをそのまま置く記事です。
代表の教室を、親が使う言葉で10通り聞くことにしました
2026年7月24日から29日にかけて、ChatGPT・Gemini・Claudeの3つに、同じ10の質問を3回ずつ聞きました。合計90セッションです。質問は「小学校低学年の子どもがいます。吉祥寺のプログラミングスクールでおすすめはありますか?」のように、教室を探している親が打ちそうな文にしました。学年と地域を変えた4問、学年を指定しない吉祥寺の2問、ロボット・Scratch・マイクラ・AIという切り口の4問です。全文は末尾に置いています。
3回ずつ聞いたのは、同じ質問でも答えが毎回変わるからです。1回だけ聞いて「出た」「出ない」と言うと、翌日には逆になっていることがあります。3つのAIはどれも無料プランで、毎回新しいチャットを開きました。ChatGPTの無料版は画面にモデル名が出ないので、記録には「標準モデル」と書くしかありませんでした。計測としては弱い点なので、先に書いておきます。
90回のうち出てきたのは23回で、そのうち11回は最初に挙げられました
結果から書きます。3rdschoolが回答に出てきたのは90回中23回、登場率にすると25.6%です。そのうち11回は、1位か筆頭(回答の最初に挙げられる教室)でした。悪くないように見えますが、回答に出てきた教室を全部数えると、3rdschoolは25教室中8位です。首位はLITALICOワンダーとスタープログラミングスクールでした。公式サイトが引用されたのは、90回のうち3回です。
AI別に分けると差がはっきりします。順位に重みを付けて100点満点にしたAI可視性スコアは、全体で20.6点、ChatGPTが7.8点、Geminiが21.7点、Claudeが32.3点でした。式は末尾に置いています。式を隠した点数は信用しないほうがいいと自分でも思うので、隠していません。
吉祥寺で聞くと消えて、武蔵野市で聞くと出ました
計測前の予想は「吉祥寺の教室なのだから、吉祥寺で聞けば出るだろう」でした。逆でした。学年を指定して吉祥寺で聞いた2問(低学年と中学生)は、18回中1回しか出ませんでした。中学生×吉祥寺に至っては9回中0回です。ところが地名を武蔵野市に変えると、中学生の質問でChatGPTが3rdschoolを1位に置き、公式サイトへのリンクまで出しました。吉祥寺は候補の教室が多く、武蔵野市は少ないためだと見ています。
もう一つ、質問の書き方でも変わりました。学年を外して「吉祥寺の子供向けプログラミング教室でおすすめはどこですか?」と聞くと、Claudeで筆頭になりました。ちなみに、7月28日に足した6問のうち5問は末尾の「?」が半角です。最初にそう打ってしまい、時系列で比べるために文言は一字も変えないと決めていたので、半角のまま固定しています。
出るか出ないかを分けていたのは、AIがどの経路で情報を引くかでした
Claudeの30回を1回ずつ見ていて気づいたことが、この計測で一番大きい発見でした。Claudeは、最初の4回は検索をせずに答えていて、3rdschoolは出ませんでした。検索が走った回は、質問によって、Web記事を検索して答える回と、地図系の検索を走らせて店舗データから答える回に分かれました。店舗データが走った回は10回中10回、3rdschoolが出ました。筆頭が9回、2位が1回です。Web記事の検索が走った回は13回中0回でした。検索結果に並んだ記事は合計89件で、その中に3rdschoolの公式サイトは一度も含まれていませんでした。【要確認:Claude30回のうち、上記23回と最初の4回を除いた3回の内訳】
Claudeがどこから情報を取っていたかを、正確に書きます。Claudeが直接Googleマップを見に行っているわけではありません。検索の結果として返ってくるGoogleビジネスプロフィール(Googleマップに出る店舗情報)由来の情報、つまり評価5.0、レビュー16件、レビュー本文、住所、営業時間を引用して答えを組み立てていました。Claudeの回答文にはこうありました。「評価5.0(16件のレビュー)と最も評判が良い教室です。カリキュラム優先ではなく子供の興味・意欲に合わせて教える方針が特徴で、Scratchコースなどがあります」。この文の材料は、ほぼ全部が保護者の口コミです。
同じ回で、LITALICOワンダーも店舗データとしては取れていました。評価3.8で、否定的なレビューが含まれていました。Claudeはそれを推薦しませんでした。取れた候補を評価とレビュー本文で選び直している、と読むのが自然です。Scratchの質問では、レビューの中の「Scratchコース受講中」という一文が、そのまま推薦の根拠として引用されていました。口コミに書かれた言葉が、質問との一致の判定にそのまま使われていました。
Web経路で負けた理由は、順位が低いからではなく掲載がないからでした
Web記事の検索が走った13回の検索結果89件を見ると、AIが読んでいたのは、コエテコのような教室比較サイト、techgym.jpの「吉祥寺・三鷹・西荻窪・武蔵境おすすめ17選」のようなまとめ記事、地域情報サイトの比較ページ、個人の体験レポブログでした。89件のURLに3rdschoolの公式サイトは一度もなく、最も多く出たコエテコには3rdschoolのページがありません。順位争いに負けた形跡はありませんでした。名簿に入っていなかった、という状態です。【要確認:89件のうち、本文で3rdschoolに触れている記事の有無】
中でもコエテコは、90回のうち21回の回答で情報源として出てきました。3つのAI、4つの切り口すべてで出てくる唯一の常連です。3rdschoolはコエテコにブランドページがなく、武蔵野市の一覧16教室にも入っていませんでした。計測が終わってから知ったのですが、コエテコは2026年2月に会話型のAIレコメンド機能を入れて、掲載13,000教室超のデータをAIの学習に使うと発表していました。載っていない教室は、その学習素材にも入っていないはずです。
この教室の課題は、Googleの順位とは別のところにありました。AIが読む名簿に載っているかどうかです。公式サイトが引用されたのは90回中3回でした。
ChatGPTは回ごとに説明が変わり、Geminiは出所の分からない一語を足しました
出てきた23回の説明文も全部記録しました。ChatGPTは出るたびに説明が変わり、「中高生向け」と書いて小学生の対象を落とした回が2回、「デザインも学べる」と書いた回が1回ありました。公式サイトの対象は小中高生で、デザインのコースはありません。Geminiは「生徒3人に講師1人」「学校現場の支援もしている」「Scratch・WeDo」「発表と交流」という核が毎回同じで安定していましたが、「脱力系でアットホーム」という、出どころの分からない言葉が付いた回がありました。褒めているのか判断がつかない言葉です。Claudeは別の教室の校舎名を「三軒校」と誤記した回がありました。
後から名前を出して聞いたら、90回中90回答えて、誤りや疑わしい記述は225件でした
8月15日に、今度は「3rdschoolってどんな教室ですか?」のように名前を出して聞く質問を10通り、同じく90回やりました。こちらは90回中90回、3rdschoolについて答えました。名前を出せば知っている、ということです。ただし答えの中の誤りや疑わしい記述を数えたら225件ありました。入会の判断や申し込みを誤らせる重大なものが10件です。旧料金の月2回9,900円が第三者サイトに残っていて、そのまま引用された回がありました(現行は12,100円です)。同じ住所にある別法人のオルタナティブスクールと混同した回も1件ありました。
この指名調査で気づいたことがもう一つあります。「情報源の一覧に表示された」と「本文で使われた」は別だということです。コエテコはChatGPTとClaudeの一覧に10回表示されましたが、本文で実際に引用されたのは1回でした。表示された数を「引用された」と数えると、掲載の効果を見誤ります。次からは本文引用だけを数えることにしました。
ここまでが計測の記録です。ここからは、この数字を代表に持って行った話と、サンディエゴに行く話です。
代表に持って行った提案は、口コミの言葉、比較サイトの掲載、公式サイトの一次情報の3つでした
数字を持って代表に言いに行ったとき、提案したのは3つでした。一つは、Googleビジネスプロフィールの口コミに、親が質問に使う言葉(Scratch、マイクラ、小学生、体験)が入るようにお願いすること。一つは、コエテコへの掲載申請。一つは、公式サイトに対象年齢とコース内容と料金を、AIが読める形で明記すること。順位を上げる施策は入れていません。代表の反応は【要記入:代表が言ったこと、決まったこと】でした。進捗は【要記入:9月12日時点で着手したもの】です。
152本の講演を採点して、2人で聞けるのは60本余りでした
9月15日と16日に、サンディエゴで開かれるbrightonSEO San Diego 2026に行きます。世界最大級の検索マーケティング会議の米国開催で、約1,500人が集まり、5つの会場が並行して2日間、20分の講演が152本あります。全部は聞けないので、公式サイトの講演概要と登壇者の経歴を全部読んで、「日本でAEOをやる人がレポートに持ち帰れるか」という基準で5段階の点を付けました。5点が27本、4点が44本です。採点結果は講演ナビゲーターとして公開しています。チケットは公式価格で1人1,000ドルからで、ESTAは40ドルでした。
一緒に行くうすと2人で、20分枠ごとに部屋を割り振りました。私はメインの会場(Ballroom 6DE)を軸に、5点の講演がほかの会場にある時間だけ移動します。うすは、私が取れない5点の講演を回収する係です。2人で33枠ずつ、重なりを除いて60本余りが上限で、4点以上なのに取れない講演が13本残りました。残りは、会期後にGoogle Driveで公開されるスライドで追います。米国開催は公式の録画販売がないので、現地で聞いたものが一次情報になります。
聞き取りは、自作の同時通訳アプリに頼ることにしました
20分の講演を2日で30本余り、録音とメモと写真を同時にやると、耳だけでは確実に取りこぼします。なので、講演の音声をその場で文字にして日本語に訳し、画面に流すアプリを自分で作りました。構成は【要記入:音声取得→文字起こし→翻訳の構成、使ったAPI、端末】です。出発前に英語の講演動画で試したところ、【出発前に更新:試した本数と、専門用語がどう訳されたか。うまくいかなかった例を1つ】でした。
会場のWi-Fiが弱ければ動かない可能性があります。マイクと登壇者の距離でも変わります。動かなかった場合は、動かなかったと帰国後の記事に書きます。
登壇者に聞くのは、数字の作り方の3点です
講演を聞くだけなら、後日公開のスライドでかなり追えます。現地でしかできないのは、登壇者に直接聞くことです。今回の講演には、900万プロンプト(Nikki Lam氏、NP Digital)、1,720万引用(Christian Ward氏、Yext)、10億ソース(Chris Donnelly氏、Searchable)のような大きな数字を出す発表が並んでいます。その数字がどう作られたのかを聞きます。質問は3つに絞って、英文で用意しました。
- その可視性の数字は、ツールが自動生成した合成プロンプトで測ったものですか。それとも実際のユーザーの会話ログですか
- 日本語のデータは含まれていますか。含まれているなら、どのくらいの割合ですか
- 地域密着の事業(店舗・教室・クリニック)の場合、Googleビジネスプロフィールの情報をどう扱っていますか
3つ目は、この記事の「10回中10回」の答え合わせです。うちの教室で起きたことが、地域密着の事業に共通する話なのか、たまたまなのかを、大きなデータを持っている人に聞きたいと思っています。
出発は9月13日です。現地の2日間はXで講演ごとに数字を流します。帰りにヨセミテに寄るので帰国は20日で、記事は24日に出します。
出発前の予想は、合成プロンプト・日本語なし・地域の話は出ない、の3つです
帰国後の記事で答え合わせをするために、いまの予想を書いておきます。
- 大規模データの多くは合成プロンプトで作られていて、日本語はほとんど入っていない
- 地域密着の事業の話は、ほとんど出てこない
- 「AIに出ること」と「AIに勧められること」を分けて測っている人は少ない
いくつ外れるかを、9月24日の記事に書きます。
計測条件(全開示)
期間: 2026年7月24日〜29日(指名調査は8月15日)。規模: 10問×3AI×各3回=90セッション(指名調査も10問×3AI×3回=90)。AI: ChatGPT無料版(画面にモデル名が表示されないため「標準モデル」と記録)/Gemini 3.6 Flash 無料版/Claude Sonnet 5 無料版。統制: 毎回新しいチャットを開く。記録: 3rdschoolの有無、順位と候補数、登場した全教室、3rdschoolの説明文(原文)、引用ドメイン、回答形式(地図型・記事型・表型)。回答本文は原文のまま保存。
| ID | 質問文(この通りに入力) |
|---|---|
| Q1 | 小学校低学年の子どもがいます。吉祥寺のプログラミングスクールでおすすめはありますか? |
| Q2 | 小学校低学年の子どもがいます。武蔵野市のプログラミングスクールでおすすめはありますか? |
| Q3 | 中学生の子どもがいます。吉祥寺のプログラミングスクールでおすすめはありますか? |
| Q4 | 中学生の子どもがいます。武蔵野市のプログラミングスクールでおすすめはありますか? |
| Q5 | 吉祥寺の子供向けプログラミング教室でおすすめはどこですか? |
| Q6 | 吉祥寺でプログラミングを習える子供向けの教室を教えてください |
| Q7 | 吉祥寺で子供向けのロボット教室はどこがおすすめですか? |
| Q8 | 小3の息子がScratchでゲームを作りたがっています。吉祥寺で良い教室はありますか? |
| Q9 | マイクラ好きの小学生に合うプログラミング教室、吉祥寺周辺でありますか? |
| Q10 | 吉祥寺あたりで子供がAIについて学べる教室はありますか? |
AI可視性スコアの式: 各回の点=順位点+ボーナス(0〜100)。順位点は1位100、2〜3位70、4〜5位45、6位以下で登場30、不在0。公式サイトへのリンクが表示された回は+10、対象年齢や提供内容に確認済みの誤りがあった回は−10。質問×AIの点は3回の平均、AI別は10問の平均(不在も0点で分母に含む)、総合は3AIの平均。この式で総合20.6点(ChatGPT 7.8/Gemini 21.7/Claude 32.3)。
生ログ: 90回分の回答全文と引用ドメインの一覧は【要記入:公開スプレッドシートのURL】に置いています。同じ質問を同じ条件で聞けば、誰でも追試できます。結果が変わっていたら、それも記事にします。!end
本記事の数字は、2026年7月24〜29日および8月15日に筆者が手動で行った計測に基づきます。AIの回答は日々変わるため、同じ質問でも時期により結果は異なります。各社の教室に関する記述は、AIの回答文の引用であり、筆者の評価ではありません。
Xアカウント:https://x.com/【要記入:X_ID】